正月に知った出来事。 
ちょっと残酷なシーンがあるから、いやな人は読み飛ばしてください。 
私の婚家はど田舎。母屋ではヤギや軍鶏を飼ってるし、庭に鴨のいる池もある。 
敷地内別宅住みで、生き物が苦手な私は、その辺には近づかないんだが。 
一番驚いたのは、夏の子ども会のラジオ体操を家の庭でやること。 
庭と言っても塀がある訳じゃなく、裏山や道と続いてる感じなんだけど 
それでも庭でラジオ体操???ってビックリだった。 
旦那いわく、物心ついた時には庭でやってた、そうだ。 


体操終わった子どもたちの中に、一人なかなか帰らない5歳くらいの子がいたそうだ。 
(幼稚園には通ってない) 
その子の母親は、祖父母が住んでた家に越してきたんだけど 
もともと都会育ちで、長期休みにたまに遊びにくる位の人だったらしい。 
遊びに来た時は、近所のちょっと年上の子達と山を走り回ってたそうで、 
その感覚で子どもを放牧するんだけど、田舎は子どもが少なくなってて 
そんな子どもたちは存在しなくなってる。 
そこで子どもはつまらなくて、家の庭で遊ぶ。 
(旦那と兄弟のために作った小公園みたいなエリアもあるから)。 
ラジオ体操のときは、子どもが集まるから、余計家に執着する感じだったらしい。


何度か親に注意したけど、やはり親が気にもとめない感じで、 
義両親もお手上げだったとか。 
ある日その子が、軍鶏のいるエリアに勝手に侵入した。 
軍鶏って、ものすごく気性が荒いらしく、オスに飛び掛られて 
気づいた舅が割って入ったものの、結構な傷を負ったらしい。 
今までは、怪我したら危ない、って注意しても「大丈夫」って言ってた親が 
両親そろって怒鳴り込んできたそうだ。 
「そんな危険な動物を飼ってるなんて、すぐ保健所で殺処分にしろ」と。 
途中から話しを聞きつけた大舅が(耳が悪い)、「なんだ、軍鶏を締めるのか?」と 
その場で、いきなり軍鶏を解体Orz。 
「羽もむしって血抜きもしてやるから持ってけ」とばらし始めた。 
母親半狂乱、父親ももどすわ、でカオスになったらしい。 
だけど姑だちの時代には、ごく普通の光景だったらしく 
放置親たちが何叫んでも、近所の人たちは「それがなに?」って感じだし 
そもそも殺せ、っていうのはそういう事だ、と逆に説教されて 
こんな所に住んでられない!と引っ越したらしい。 
たまたま私は里帰りしてた時期だったんだが 
姑さんが、ただでさえ動物の苦手な私に知られたら 
実家に帰られちゃうかも、って緘口令を敷いてたらしく 
酔っ払った大舅が正月に口滑らすまで、全然知らなかったよ。 
そういえば、放置子見なくなったな、幼稚園行ったのかな、とは思ってたけど。

まあそうだよな。軍鶏だって趣味で飼ってるわけじゃないもんな、と 
なんとなく宴会の鍋を眺める私に、姑さんが 
「大丈夫よ、家の軍鶏は出荷用だし、普通は家族では食べないから」と言ってた。 
ヤギも出荷用だと思うけど、確認はしてない。 
見えないところでは、そういう処理があることを 
都会育ちの人間は意識してないからな、って話でした。