俺にはA子という、家が隣同士で年も同じという絵に描いたような幼馴染がいた。

幼稚園小中と一緒で、よく一緒に遊んだ。

所謂腐れ縁でそこそこ仲もよかった。

俺はキモオタでA子は女子バスケ部のエースの人気者、学年内の立ち位置も正反対だったがキモオタの俺がいじめられることもなく、平穏に学校生活を送ったのはA子のおかげと言っても過言じゃなかった。


高校は別のところに進学し、部活が忙しかったり学校が遠かったりしたので家が隣なのにほとんど顔を合わすこともなかった。

たまに会って軽く話をするくらいだった。

俺は地方の大学に進学し、そのままそこで就職した。

A子は県内の女子大を出て、地元でOLをやってるって親からは聞いた。

それから数年、俺は転勤で地元に帰ることになった。

A子は結婚して家を出ていると母が言った。

少し寂しく思いながら、相手はどんな男なのかと母に聞いた。

あいつのことだから、スポーツマンのイケメンとでも結婚したんだろうなーとぼんやり思ってたら

「とっても可愛いお嫁さんを貰ったのよ~」

俺は母がボケたと本気で思った。


A子はA太と改名し、男になってた。

祐子→祐太みたいな、下の字を男のものにしただけでうちの家族はみんな上の漢字でちゃん付けにしてたから違和感はないんだが。

性転換して勿論戸籍も変更済で、ずっと付き合ってた女の子と結婚したんだそうだ。

確かにボーイッシュで男勝りで男とばかり遊び、私服はズボンばっかりだったけど制服はしっかりスカート履いてたし、女子大に進学した後はOLしてたんだが働いてお金をためて、性転換したんだそうだ。

あいつがそうだったなんて、全然気付かなかった。

A太の母親に結婚式の写真見せてもらった。ジャニーズ以上に線の細い超絶イケメンだった。

嫁さんもめっちゃ可愛かった。

俺中学の3年間、本気でA子が好きだったんだよね。

今度遅い盆休みでA子いやA太が帰ってくるから、一緒に酒盛りでもしようということになった。

その時に思いっきりおめでとうって言ってやろうと思う。

好きだったってことは墓の中に持っていく。

ちなみに俺はもうそろそろ魔法使いになれそうです。