20数年前、バブル全盛期、当時私は22歳のOL。 
ある日短大の同級生だったNから飲みに誘われた。 
Nは短大を中退してからフリーターをしていた。 
待ち合わせ場所の店に行くと、Nの彼氏Hとその友人Yがいた。 
Yは一回り年上のハーフで×1。ギリシャ彫刻みたいに綺麗な容姿。 
キツイ腋臭が玉に傷だけど、1週間後彼に口説かれ、付き合う事に。 
私には初めての恋人だった。 
Yは不動産関係の会社を経営していた。 

いわゆるバブル紳士と言う人。 
彼は私の為に豪華なマンションを用意し、休暇の度に贅沢な旅行に連れて行ってくれた。 
夢の様な1年が過ぎた。 
しかしある時、マンションのエントランスからYに来客が来ていると連絡が入った。 
Yは出て行ったまま、なかなか戻って来ない。 
不安になった私がエントランスに降りて行くと、赤ちゃんを抱いた女性とYが揉めていた。 
彼女がYの妻だと名乗ると、Yはその場から逃げて行った。 
彼の走る後ろ姿は、手をブンブン振って漫画みたいで可笑しかった。 
気がつくと、Yの妻は私を大声で罵倒し続け、赤ちゃんはギャン泣きが第一の修羅場。 


Yの妻は私を「訴える」とか責め続けて、部屋までついてきた。 
頭が真っ白だったけど、意地でも謝らなかった。 
私は彼が×1だと聞かされていたし、自分には非はないと自分に言い聞かしながら、荷物をまとめてその日のうちに、自分のアパートに帰った。 
その後、Yからは「許してほしい。妻と別れられないけど、愛があったならまたやり直せる」とか「金ならいくらでも出すから別れないでくれ」とか、腐った留守電メッセージがいくつも残されたいた。 
メッセージを聞けば聞くほど、Yへの憎しみがつのり、同時に自分も嫌いになっていった。 
そのうち友人Nの彼氏Hからのメッセージも残されている様になった。 
「君は寂しがりやだから心配」とか「遊園地でも映画でもどこでも付き合うよ」とか、訳わからないし、彼はYの共犯者だから無視していたら、突然会社に友人Nが訪ねて来て「泥棒!」とひっぱたかれたのが第二の修羅場。 

その後人間不信になった私は、引越し&転職。 
結婚も諦め、一生食べていける国家資格をとる為に、大学の2部に編入し、遊びもせず女を捨てたような生活を数年続け、国家試験合格→ステップアップの転職。 
気がつくと世間ではバブル崩壊。 
20代後半になっていた色気も洒落っけもない私に、まさかのプロポーズをしてきた男性がいた。 
彼は仕事関係で知り合った人。 
もちろん独身である事は保証付き。 
悩んだあげく、彼に既婚者に騙された過去がある事、そのせいで人を信じ切れなくなった事を告白。 
彼は「いずれ信じて貰えように頑張る」と言ってくれた。 
3年後、私達は結婚し、翌年娘が産まれた。 
幸い夫と私の仕事は不況には関係が無いため、平穏な生活をおくれていたが、昨年友人Nと彼女と結婚したHに見つけられてしまった。 
彼らは酷く困窮していて、私の暗い過去話を織り交ぜながら金銭を要求してきたのが第三の修羅場。 
もちろん弁護人を通じてサクっとお断り。 
被害届を提出しないかわりに、私達家族には一切接触禁止。 
約束が破られた時は、即被害届という話に落ち着いた。 
私を騙したYは既に故人になっているそうだ。 
もう二度とY絡みの修羅場はゴメンです。