新婚半年ぐらい経った頃のこと。

その日、旦那は出張中で晩御飯を作らなくても良かったのと、前日なんだったか忘れたけどすごく疲れる行事があったのでパジャマのまま、ベッドの上でゴロゴロして過ごしていた。


するとピンポォォォ~ン♪とチャイムが鳴った。

当時はシンプルなチャイムで、モニターみたいな豪華なもんはついてなかった。

居留守を決め込み音を立てないように無視していたら、またもやピンポォォォ~ン♪と鳴った。・・・でも無視。

数秒経ってからまたピンポォォォ~ン♪と鳴ったので、しつこいなーと思いながら、足音立てないように抜き足差し足で玄関に向かい、ドアスコープから何処のどいつか見てやろうと静かに近づいたら突然ガチャガチャガチャと鍵を回す音が!

いや音だけでなく、鍵がカチャっと回った。

何が起こったのか分からなかった。

頭が真っ白になって固まっていた。

勢いよくドアが外側に開かれ、ドアチェーンが突っ張ってガッチャン!!と大きな音がした。

それで我に返って悲鳴を上げた。

同時に階段を駆け下りていく音が聞こえた。

私は玄関にへたり込んでしまって、しばらく震えてた。

どれぐらいそのままだったのか覚えてない。

結構長いこと震えてたと思う。

気が付いたら泣いてもいた。

腰が抜けるってああいう状態を言うのかな。

とにかく立てなくて、這うようにしてリビングの電話の所に行って、夫の会社にすぐ自宅に電話するように伝言を頼んだ。

後で聞いたところによると、電話に出た事務員さんが私の声の様子でただ事ではないと察したようで、必死で旦那を探してくれたらしい。

当時は携帯があまり普及してなくて、旦那も持ってなかったし、かかってきた旦那の声を聞いたらワンワン泣いてしまった。

だって本当に怖かったから。

旦那はその後、私の実家に連絡して母に誰か寄越してくれるように頼んでくれたらしい。

姉が泊まりにきてくれた。


管理会社にも連絡してくれて、とにかくすぐに鍵を交換してくれるよう手配してくれた。

出張から帰ってきてから、旦那は管理会社に怒鳴り込んだ。

間違いなく鍵を使って開けたわけだから、管理会社がマスターキーみたいなものを持ってて侵入しようとしたのでなければ、鍵交換費を入居時に払わされたのに交換していないことになる。

どっちにしても管理会社の責任は大きい。

うちは法人契約だったので、その後のことは会社と話し合ったみたいだけど、それとは別にお見舞金みたいな名目の金品を持ってきた。

警察にも届けたけど、玄関ドア周辺をアルミ粉だらけにされて掃除が大変だった。

あれって、なかなか取れないのね。

結局捕まってみれば直前の住人が犯人だった。

まさかスペアキーが使えると思わなかったらしい。

もしもあの時、完全に熟睡中でドアチェーンも掛けてなかったらどうなっていたか。

想像しただけでちびりそうだった。

いや、少しちびった。