衝撃的、と言うほどでもないかもしれないけど。

うちから車で30分ぐらいの所に旦那の実家があった。

義母が他界したあと一人暮らししていた義父が痴呆になって老人ホームに入りそこが空き家になって1年ぐらい経った頃のこと。


偶数月は私、奇数月は義妹で交代で空き家になった家に隔週で風を通しにいってたんだ。

どちらかが住めばいいんだけど、地下鉄の駅からバスで40分、そこから徒歩20分と通勤に不便だったから、いずれどうにかするにしてもその時は保留状態だった。


ある日のこと。

実家に行ってきた義妹がうちに来て

「実家が何か変なの!」

って。

義妹が言うには、はっきりこうだ!ってのは無いんだけど、この前行って玄関に入った時に、いつもは無い臭いがしたらしい。

空き家って言っても毎月2~3回は天気のいい日を選んで行って全部の窓を開けて空気を入れ替えてるし、消臭芳香剤も部屋ごとに置いてる。

だから今まで玄関に入って不快な臭いがしたことなんてなかったのになんだろうと思って家中調べたけど、原因が分からなかったらしいのね。

それでまさかと思うけど浮浪者が棲みついてたりしないよな・・・と思って

(近所の空き家で実際にあったから)

玄関から廊下を通ってリビングに入る扉の上部にトイレットペーパーの小さな切れ端を挟んで帰ってきたらしいんだ。

でその日、やっぱり玄関を入ると仄かに異臭がしたので注意して確認してみたら、トイレットペーパーの切れ端が無くなってたらしい。

それで今度はふたりで義実家に向かった。


ふたりで離れないようにして、一部屋ずつ窓を開けて明るくしてから目を皿のようにして細かく確認したら確かにおかしい。

ソファーカバーに私でも義妹でも互いの旦那でもない長さの髪の毛がついててそこのカバーだけが明らかに臭い。

義妹の想像が当たってたのかもと思って旦那に相談して小型の監視カメラを付けた。

そして近くの派出所に事情を話し、何かあったら即対応してもらうように頼んでおいた。

それから一週間ぐらい経って侵入者が逮捕された。

どうやら義父が痴呆初期だった頃に、玄関の鍵穴に鍵をさしっぱなしにしてた事があったみたい。

それを抜いてスペアキーを作って元に戻しておいたらしいんだ。

逮捕された男は40代の浮浪者で、その頃はまだ浮浪者ビギナーだったそうな。

痴呆の独居老人が住んでるのはわかってたし、いずれ空き家になると踏んで様子を見てたらしく、案の定予想通り空き家になってからは、雨の日の夜だけ侵入して寝てたらしいんだ。

時々私たちが天気の良い日に風通しに来てた事も知ってて、かち合わないように気を付けてたらしい。

最初の頃は、見つからないように寝る所にはできるだけきれいな新聞紙を敷いてたらしいけどついつい慣れてきてソファで眠っちゃったって。

その事があってから、義妹たちと相談して中の物を整理し賃貸に出すことにしたんだ。


実は風通しだけでなく、時々義父の衣替えの服を取りに行ったり、実家に確かあったはず・・・なんて言って、大工道具とか色々取りに行ったことがあってそれは雨の日や夜だったこともあったんだよね。

もしかしたら40代の浮浪者男性と女ひとりで対峙することもあったかも知れないと思うとゾッとした。