彼男 私の彼氏 サーファー貧乏
友男 彼氏の親友 臨機応変なKY サーファー仲間

一人暮らしの彼男の部屋のこたつで鍋をつつきながらまったりしてた時
友男が訪ねてきた。

友男は彼男と付き合いが長くて、いつも私の知らない話題を出してくるのであまり好きではなかった。
知らない話題でも、説明してくれたり参加させてくれる人なら良かったけど
ほら君は知らないだろ?的な流れをつくるのであまり会いたくなかった。
その日までは、お前の知らないことを知ってる俺エライというのをしたいタイプなのかなと思ってた。
彼男が話の合間々々に説明してくれたりフォローしてくれるので、
なんとか会話の内容は把握できたし、彼男が
「ごめんな、なんかあいつ(友男)たまにKYなんだよな。普段そんなことないんだけど」
と言って謝ってくれるので我慢してたけど、
たまにというか、私がいる場合にだけKYになるってどういうことよ?とは思ってた。
この日も私の知らない人のこととかハワイの裏?らしい地名とかばかりだった。
私は彼男の趣味にはあまり興味がないし、彼男も私が興味を示さなくても気にならないらしい。
でも友男はそれが気に入らないぽくてやたらと
「彼氏の趣味に理解ない女はダメだよな」みたいなことを手を変え品を変え言ってくる。
遠まわしに言うので彼男はあまり気がつかない。

気が付いたら
「なんか自分の彼女を悪く言われてるみたいで気ぃ悪いぞ。やめろ」
といって怒ってはくれてた。
それでも彼男がトイレに立った隙に
「ここまで言われて別れる気にならないわけ?どういう神経してんの?」
と言われた。
もういい加減うんざりしてたので
「やたら友達の彼女に嫌味言って別れろだのなんだの、もしかして彼男に気があるわけ?そっちの人?」
と嫌味のつもりで言ったら
「#$%&$%#”!」
と何言ってるのか分からない状態で激昂した友男に、鍋の乗ったこたつごとひっくり返された。
ギリギリ鍋は被らなかったけど一歩間違えば大やけどでゾッとした。
カセットコンロの火!と思って一瞬焦ったけど、火は勝手に消えててホッとした。
たぶん、衝撃でコンロからボンベが外れたからだと思う。
音に気付いたらしい彼男が大慌てで戻ってきて
「何?何があった?」と言うと、友男が彼男のエリを掴んで
「だから&%$#%!俺は$#&%&$%!」
何か訴えてるけどワケが分からなかった。
「ちょ、落ち着けって。なに?」と彼男が言うと
「うるさい!そんなんじゃないんだよ!」と友男が叫んで靴も履かずに出て行ってしまった。
ここで彼男にちゃんと説明しようかなと思ったけど、
友男は「そんなんじゃない」と否定してたし、そっちの趣味という証拠もなかった。
それに言ったところで、話し合いとかになったらまた友男と関わることになるし、
彼男と一緒にいるかぎりあの友男とは縁が切れないなと思ったら、
彼男には悪いけど、この人とは距離をおいた方がいいような気がしてきた。
趣味が趣味だから海優先なのは仕方ないし、天気とかは彼男の力でどうにかなるものじゃないし
それで腹を立てたこともなかった。


一緒に連れて行ってくれたり、できるだけ退屈しないように工夫もしてくれてた。
でも海優先というか、友男も一緒に行ってたんだから友男優先でもあったんだよなと思うと
どんどん気持ちが冷えてった。
趣味は反対しないけど、私自身がサーファーになる気もないし、
彼男をめぐって友男と張り合い続ける気力もないし、
彼男はいつもやたらと友男を褒めてたし、そんな友男に気に入られる彼女を持った方が
彼男も幸せなんじゃないかという気もしてきたので、お別れしようと決意した。

数日後別れを切り出したら彼男は
「ごめん、やっぱ海優先はよくなかったと思う。
このままじゃ貯金できないし、毎週遊び回る年でもないと自分でも思う。
結婚とか考えたら年1~2回が限度だと思うしそうする。
今までつぎ込んでた分をきっぱり止めたら半年以内で100万円以上貯めるし、
1年待ってくれたらもっと準備できるから待ってほしい」
と言われた。

実質プロポーズかなとも思ったけど、
「貯金は良いことだし、毎週じゃなくなるのも良いことだと思う。
でもそこまで自分を抑えつけ無くてもいいし、私の為じゃなく自分のために貯金しなよ。
彼男さんは悪くないけど、私は私優先してもらえる人がいいみたい」
といって別れを告げた。
自分では自分を束縛女だとも思ってなかったし、友達と私どっちが大事?っていうタイプでもないと思ってたけど
そうでもなかったっぽい。
友男と戦っても彼男と一緒にいるつもりなら、友男の言ってきたことをバラすという手段もあったけど、
なんか疲れてもういいやって気持ちになってるのに、今さら友男を引き離すのもなんだかなあという気がしたしね。
彼男にしても、彼女が去ってその上で友人と離れるというダブルパンチはきついだろうし。
彼男は悪く無いので、両方いっぺんに無くすという無情な真似はどうかなと思った。
彼男のために死に物狂いになってあげようという情熱のない女は去り
彼男のためならなんでもしてくれそうな友男は相変わらず親友で、
そんな友男を彼男もすごく良い奴だと思ってるのは結果的にOKじなんじゃないかと。
これで友男も気に入る彼女が出来れば完璧なんだけど、そうもいかなかったみたい。
ちょっと前メールが来て
「1年弱でこれだけ貯まりました。あれから一度も海には入ってない。仕事がすごく忙しくなったってのもあるけど。
自分ではずいぶん変わったと思う。一度会って欲しい。できればチャンスを下さい」
とあった。噂のロミオメールというやつだろうか?

一応「変わって欲しくて別れを切り出したわけじゃありません。あの時のあなたが嫌いだったわけではないので。
良い人を見つけて幸せになってください」とだけ返信した。
彼男が悪くないのに着拒とかまでするのはどうだろうと思ったからそのままにしてたら時候のあいさつのような近況メールが来るようになった。
その中で、別れた後に一時期荒れてたら友男がすごく親身になってくれたとか、
力になってくれたとか、やたら友男のことが出てくるので「うわぁっ」って気持ちになった。
あの時「友男が嫌いだから、その友達のあなたも嫌」とでも言っておけば良かったと後悔した。
「ごめん、もう友男の話も聞きたくないし、別れたからメールしないで」と送ったら来なくなった。
その数日後、いきなり友男に職場の前で凸られた。
友男に「お前、何言った?彼男に何言った!」と怒鳴られた。
「会ってないし何も言ってないしそもそも1年前に別れてるしいきなり何?」
と聞き返したら
「なんか彼男が様子が変だしよそよそしい。原因はお前のはず」とか言ってきた。
「知らないよ。1年前ならともかくなんで今頃?あなたが妙な真似でもしたんじゃないの?」
と言ったら「そんなんじゃない」とボソボソ言ってそのまま帰って行った。

あれから一度だけ彼男が会いに来た。

友男と実際何があったのかとか話し合ったのかは聞かなかった。
もう関係ない人だしね。
彼男は報告したそうだったけど
「もう関係ないから聞きたくないよ」と言ったら何も言わなかった。
障害があってダメになったから、障害が無くなれば元通りとはいかないものだねとしみじみ思った。
彼男は何も悪く無いのに、私の気持ちがぜんぜん動かないのは正直申し訳ない、良心の痛む一年がかりの修羅場でした。