私子 23歳 平々凡々
彼男 23歳 A子の彼氏
A子 23歳 私子の幼馴染み 可愛い

私子は、自分が美味しく食べたいが為に料理の腕前がお店レベルに到達した食い意地の張った女です。
(※お店レベル=洋食屋さんをやっていました。)


幸い食い意地の割に、太らない体質だったのですが小さな頃からA子に
「私子ちゃんって女の子じゃないよね」
「そんなに食べて恥ずかしくないの?」
なんて事を言われて居ましたが。
\食べ物は正義/な私でしたので気にせず黙々と食べながら育っていきました。

私子とA子の関係は、プライドが高いA子と持ち前の無頓着ぷりでそれを気にしない私子。
そんな感じで割と上手く言ってた気がする。
まあ、親友とかでは全く無かったんですがお互い出来ない事が似ていたので
たまに頼ったりする言わば腐れ縁みたいな感じと思って頂ければ幸い。

そんな私達も社会人になりお互いの道を進んでいきました。

割とA子が勤めた会社と私のお店は近かったので、よく来てくれていた。

疲れてるの、なんてA子が弱音を吐いた日はさっぱりした物を特別に作ったりもしていた。

そんなある日A子が申し訳なさそうに言ってきた。

「彼氏にケーキを作って欲しい」

と。時期は今週の土日だと言われた。
飲食店には珍しく土日休み(ビジネス街だったせいもある)のお店だったし材料費含めて
かなりの金額を提示された。

その必死さに折れて、元々お金を貰う気は無かったが材料費だけは貰って作ることにした。

当日割と頑張って可愛いレアチーズケーキを作った。A子は喜んで帰った。
「彼氏も喜んでた♪ありがとう」とわざわざメールもくれて良かったと思った。

だけどそれだけで終わらなかった。
1ヶ月程立ってA子から切羽詰まった声で電話が掛かってきた。

A子「こないだのケーキのレシピ教えて!!」
私子「え、あそれは出来ないよ」

実はあのケーキをお店に出し始めていたため、レシピを教えるのは幾ら友人の頼みでも出来なかった。

A子「なんでよ!あんた使えないな」

と切られた。怖かったが元々起伏が激しい子だしなと諦めて放置した。



ある日の昼時一人の男性に
「シェフを呼んできてくれ」と言われた。
小さなお店で接客も調理も私とバイト一人で行っていたのでビクビクしながら出て行く私。

男「あの、このケーキって誰かに教わりました?」
私「いえ、当店のオリジナルですが?」
男「…あのこれワンホール頂けませんか」
こんな店二度と来るかぁ!とか言われると思っていたため拍子抜けするも昼間出す分のケーキは余って居なかった。

私「夕方…必ず来てくださるならワンホールお渡し出来ますが」
男「じゃあそれで」
私「わかりました。念の為お名前とお電話番号をお願いします」
男「彼男で080xxxx」


そう言って男性は帰って行った。
正直こんな喜んで貰えるとは!料理人冥利につきるなと思っていたがそんな事もなかった。

夕方。ワンホールケーキと生地用で余ったクッキーを包み待機していると

彼男さんと…A子が現れた。
私子「A子?」
A子「なんでバラしたのよ!」
彼男「だまれ!あのケーキはどちらに」
私子「あっはいこちらになります」
彼男「ありがとうございます。」

そう言うなり開ける彼男。

彼男「これお前のとそっくりだな」
A子「うるさいうるさい」
彼男「妹にレシピ教えてくれたみたいだったけどなんだアレはチーズソースみたいじゃねぇか」

瞬間チーズケーキが空を舞った。
彼男の顔へと直撃した

私のケーキちゃん(´;ω;`)
と思ったが二人は罵倒の限りをつくしA子は自白した。

「私子が作ったものよ!文句有る?」

しかし修羅場は終わらない床に落ちたチーズケーキを投げ合い仕舞いには厨房へと入ってくる
下準備が終わり後は焼くだけの生肉ちゃん。美味しくなった野菜ちゃん達が無惨にも投げられていく

やめてぇええ!と叫ぼうとしたが同時警察がやってきて二人は連行された。

その日は開店ができずお店の掃除をさせられたのが一番の修羅場。
せめてその日の夜の売上金だけは貰いたかったが逆恨みされてまたお店が崩壊したのが二番目の修羅場。