人生で最大の修羅場は父の納骨が終わって父の実家から帰ってきた時 
帰宅してすぐにかかってきた電話に出たら商工ローン会社からで 
父の親友が末期癌で一昨日亡くなったので連帯保証人として 
一千万超えの借金を返済してくださいといわれた時 


家族の誰も知らない話だったので詐欺か何かだと思ったが 
電話の向こうから、昨日から何度も電話してるのに出ないから 
飛んじゃったかと考えたけど安心したといわれて事実だと悟った 
あの時ほど未来の見えない瞬間はなかった


ローン会社は当然全額我が家に支払わせる気満々だったらしいけど 
仰るとおりまだ相続手続きしてなかったので相続放棄をすればよかった 

でも元々父だけが親友と言っていて母も私たち兄弟もよく知らない人で 
借金も今ほど法整備のなかった頃の話で、最初に小額の借用書にサインさせて 
あとからその借用書を元にして借り増しできるタイプの借金だった 
父はほんの二百万だと思ってサインしてたんだよね 
実際父の机にあった借用書のコピーには二百万としか書かれてなかった 
しかもその親友、癌告知直後に妻子と籍を抜いて名義も何もかも元妻に移してた 
臨終の際も妻子に看取られてそりゃもう美しいさいごでふざけんな 
サインした父も馬鹿だったが本当に腹が立った 

そんなよく知らんおっさんの借金人生の帳尻合わせで自宅をなくすなんて嫌だ! 
ということでなんとかならないか弁護士をさがした 
すると以前に同じローン会社とやりあって負けた事がある弁護士がいて 
保証人の担保になってた自宅の名義が父母で9:1だったことを知ってこれなら勝てると 

どうやら1割他人名義の家を欲しがる不動産会社はないとのこと 
競売にかけても二束三文。その二束三文を支払うから手打ちにしないかと持ちかけた 
結果二千万近かった借金が数百万に減額してそれは父の保険金でまかなった 
自宅も手放さずに済んだしローン会社からはそれっきり音沙汰なし 

今となってはその程度で済んでよかったなと話せるけど 
あの電話の時は本当に目の前が真っ暗になったよ