弟 20歳 女の子に夢見てる
A子 21歳 所謂ツンデレ 泣き虫
B男 24歳 A子の彼氏
私 25歳 B男の同僚

弟は中高とチャラくて、彼女居ない時が無かった。というか彼女では無かったのかもしれん。

私は弟に興味が微塵と無かったのと、全く似ていない地味子だったので、母親が弟を心配するのを聞き流していた。

だけど、弟は大学に入ってA子ちゃんと言う女の子に出会い一変。
女の子とは愚か、男友達とは遊ばなくなり、決して仲の良いとは言い難い姉にすら『A子ちゃん』の話をする一途な男に変わった。


A子ちゃんは、弟の話を聞く限り『ツンデレ』だった。悪く言えばドS。
A子ちゃんにはB男という彼氏が居て、B男にはデレデレ、甘えた。弟にはツン兎に角ツン。意地悪いじめっ子。
それがA子ちゃんでした。(ちなみに、弟の話しの時点では同僚だとは知らなかった)

いわゆる『彼氏が居たら他は何も要らないの☆』な女の子です。 

話を聞いた時は、弟気持ち悪い!ってなったのですが
弟の話を聞いているうちに、何故か私もA子ちゃんって可愛いんじゃね?と思うようになりました。
ほぼツンなのに時々見せるデレが堪らなかった訳です、姉弟揃って変態です。

そんな風に、私と弟の関係が良好に変わりつつ有る頃。
弟がA子ちゃんを家に連れてきました。
私はA子ちゃんの姿を見て絶句しました。

真っ赤に腫れた頬に、多分バリカンか何かで剃られた様な斑の頭。肩には弟の気に入っていた上着。
服も心なしか汚れて居た気がします。
初めて会ったA子ちゃんは衝撃的でした。


私が何か発する前に、弟からA子ちゃんをお風呂に入れて着替えさせて欲しいと伝えられました。
事情が掴めない上に、A子ちゃんは泣き出してしまい話になりませんでした。

とりあえず、A子ちゃんがお風呂に入れ弟に話を聞こうとしましたが『体の傷を見て欲しい』
そう言われA子ちゃんと一緒に初めての入浴。
そしたら服で隠れてたけど、打撲?ぽい傷がたくさんあった。

お風呂から出てA子ちゃんに、手当てをして念の為写真なんかも撮らせて貰った。



少し落ち着いたA子ちゃんは、何が有ったか話してくれた(殆ど弟が話してたけど)。
・B男に弟との浮気を疑われる
・A子ちゃんは勿論否認
・B男怒り収まらず
・B男は友人達にA子ちゃんを弟の前でれいーぷする計画を練る
・弟を呼び出す
・A子ちゃんに暴行中に弟登場
・弟、A子ちゃんを連れて逃走

簡単に纏めるとこんな感じの話でした。幸いと言えるか解らないけど、暴力のみだったので少しほっとしました。
勿論怒りはあったけど。 

とりあえず、A子ちゃんが落ち着いたら病院に行き被害届を出すと決意。
この時点ではA子ちゃんは、それでもB男が好きなのか歯切れは悪かった。
でも私も弟もそれを『良し』とは出来なかった、当たり前なんだけどさ。

そして疲れたA子ちゃんを寝かし、A子ちゃんのために、弟とキッチンに立っていると弟の携帯が鳴った。

勿論、相手はB男でした。弟は大事な大好きなA子ちゃんを傷付けられた為、色々血が頭に昇っている様子。
多分、相手も血が上ってる筈。幾分冷静な私が弟の変わりに電話を取りました。

『テメェふざけんなぁ!』
出た途端耳に近付けなくても聞こえる大きな声でB男が叫びました。
漫画でしか見た事ない様な単語が罵倒と共に続いていきます。
此処で妙な違和感を感じました。『これ先輩のB男さんじゃない?』と。 

適当に相槌を打ちながら、自分の携帯の『先輩B男』と『罵倒するB男』の番号を照らし合わせると、一致しました。

血の気が引くような感覚って言うのかな、兎に角全身がぞわぞわとして、私はB男に『あの先輩』と仕事の口調で話してしまいました。
(同じ部署でB男を先輩呼びするのは私だけです。)

B男もびっくりしたんでしょうね、すぐに電話が切れました。
電話が切れて、もう一度番号を確認するとやはりそれはB男先輩のものでした。
確認と私の携帯からB男先輩に掛けたのですが、話し中の儘で一切繋がりませんでした。

弟に『会社の先輩かも』と伝え、事情を説明しているとインターフォンが鳴りました。

何度か残業で遅くなった際、B男先輩は複数の女性を送って居たので、実家がばれていたのを完全失念していました。

普通の築25年の民家なので、玄関を確認する術は玄関をあけるしかありません。
私と弟は父のゴルフグローブと木刀を片手に開きます。勿論そこにはB男の姿が有りました。

背後には、多分A子ちゃんにちょっかいを出そうとした男…と思っていたのですがそこにはB男しか居ませんでした。
そして玄関に入った途端、私たちに向かって土下座しました。 


そしてB男は号泣。泣きながらどうやら『謝罪』しているらしい。

・弟に手を出そうとしたのは悪かった
・会社には言わないで欲しい
・痴話喧嘩なんだから他人は入ってくるな
・未遂なんだから大事にするのは可笑しい
要約するとB男の訴えは、こんな感じだった。どうしても私と弟には煽りにしか思えず反論していった。(勿論殆ど弟が)

・弟に手を出そうとしたのは悪かった
→A子にした事は悪くないのか
・会社には言わないで欲しい
→言ったらどうなるか解る様な事をしたんだな
・痴話喧嘩なんだから他人は入ってくるな
→勝手に巻き込んだのはお前だろ
・未遂なんだから大事にするのは可笑しい
→打撲、その他 この時点で暴力行為ではないの?

本当は他にも訳解らない言い訳があったんだけど、こんな感じだった。 

B男『ぐぬぬ』ってなっているときにA子二階から登場。

『A子てめぇふざけんなよ!お前のせいでふじこふじこ』
私と弟には、下手に出ていたB男だったがA子を見た途端A子に走り寄り首根っこを掴み片手を振り上げた。
A子ちゃんが殴られる。そう思った。

でも次の瞬間床に崩れていたのはB男だった。

一瞬の出来事でよく解らなかったがA子ちゃんが殴った様でした。そしてA子ちゃんはB男の上に足を載せると
優しくじわじわと、今までの不満そしてこれからB男がどうなるか(会社クビとかその他諸々)罵っていった。

B男涙目。立ち上がり反抗しようとするたびにA子に平手打ちをされる。 

最終的にA子は一通り暴言を吐き出し、大人しくなったB男に『地獄に落ちろ』と笑顔で告げ終了。
そこからはA子の独壇場でB男の携帯から警察、会社、彼両親、彼友人に暴露。そして知り合いらしい弁護士に連絡。
此処までの時間僅か1時間。

警察と弁護士が来てA子ちゃんはB男と警察に行きました。(勿論私も弟も事情聴取は有りましたが)
結局B男とその仲間達は御用。前科が付き会社は首。B男に至っては再びA子をSATUGAIしようとしてストーカー化。

A子ちゃんからは色々落ち着いて謝罪が有りました。なんで別れる決心出来たのか聞いたら『あんなくずに興味有りませんよ』と笑顔でした。

それから弟とA子ちゃんは一時疎遠になったのですが、事件から5年後の今日めでたく結婚の挨拶に来たので記念に書かせて頂きました。

ちなみに今のA子ちゃんは、弟に一生懸命で可愛いです。でも怒らせたら怖いから弟もA子ちゃんに一生懸命で可愛いです。