先日、近所のモールに買い物に行ったらロビー付近にちょっとした人だかりが出来てた。

中央には泣きじゃくってる3歳くらいの女の子と、そのママらしき女性と怒鳴り合ってる全身ジャージのギャル。


初老の警備員がなだめてるけど、二人はますますヒートアップし、娘もギャン泣き。

野次馬の話に聞き耳立てたら、娘の持ってる鼠キャラのカバン(というかポーチ)をギャルがブン盗って、それを見たママが娘の一大事とやり返したらしい。

とにかく場所を移そうと警備員が促すも、

「恥かかされた!土下座するまで許さないから!」
と吠えるママ。

「ふざけんな!あたしのだ!泥棒のくせに!」
とすごむギャル。

「あ、それギャルのです」
と空気が読めず手を挙げた私。

あんなに人様の注目浴びたの学生以来です…。


とにかく別室に、と事務所のようなところに案内されて、まずママが口火を切った。

「このス●ィッチのポーチは娘と鼠園に行った記念に買ったもの!自分と娘の名誉に誓って(本当に言った)これは娘のもの!」

ギャルは「これは母親からもらったお土産で、買い物用の財布!絶対にあたしの!」と譲らない。

涙目の娘はポーチを服の中に入れて隠そうとしてて、傍目から見たらいじらくも見えた。

警備員から「いずれにせよ、ポーチには小銭とはいえ金銭が入っているので持ち主の証明ができないとお返しできない」

と言われ、私さんはギャルの知り合いか?と聞かれたけど、いえ、名前も知りません…と答えたら微妙な顔された。

無関係な第三者が首突っ込んできたと思われたらしい。

「あ、でもギャルのだって証明できる人はいます!」

と近所に住む義母に事情を話して来てもらった。


一時間後、義母と近所のおばさん2人、おじさん、子連れの主婦、ネパールカレー屋の店長がギャルの弁護人として集結。

私を含めて全員が、そのポーチは九州のギャルの母が去年初めて行った鼠園で買ってきたお土産!彼氏は色違いを持ってて、今は食費はその財布に入れて管理してると証言。

全員の言うことが一致してたから、警備員もママも呆然としてた。

連絡はつかないけど、本当はあと7人くらいギャルの事情を知ってる人はいる。

実は地元ですっごく美味しいけど規模が小さくて、午前中には売り切れてしまうパン屋があるんだけど、わたしもギャルも駆け付けた人も皆そこの常連。

開店の20分くらい前から並び始めるから自然と顔見知りが出来て、半年経つ頃には挨拶とか世間話するようになった。

最初はギャルもすましてて我関せずって顔してたけど、年配の義母の風上にさりげなく立ったり、子連れ主婦の子を構ったり悪い子ではなかったし、もともと話好きだったから慣れたら向こうから挨拶してくれるようになったんだよね。

初めは私とギャルを胡散臭そうに見てた警備員だけど、お金はいいからポーチは返して…って泣き出すギャルと、もういい!そんな汚いのあげるからさっさと帰してよ!と般若の顔してるママを見比べてだんだんと疑念が移ったらしく

「(ギャルの)お母さまか、(ママの)旦那さんに連絡していいですか?」

の一言で発狂して娘の腕掴んで立ち上がった。

ママを出入り口にいた別の警備員が止めて、他の部屋に引き摺って行った(泣きやんでた娘はビックリしたのかまた号泣…)

号泣したところでオメエの母親が泥棒だって事実は変えようがあるまい。

こういう泥母の子の成長後の懺悔って読んだことないな。

英才教育されたまま大人になるのかね


その後は、警備主任?からもう少し詳しく話が聞きたいといわれたギャルに近所のおばさんが同伴して、私たちは帰らされた。

その週末にいつものパン屋でいつものス●ィッチポーチを持って並ぶギャルがいたんで、何となく小声でkwskしたら、モールのトイレで財布から食費をス●ィッチに移し、そのまま持って手を洗いに行って鏡台にポーチを置き、ふと気づいたらポーチが消えていた。

慌てて飛び出したら小走りで逃げていく親子をハケーン!⇒ギャル全力疾走で追い付き、娘から奪い返す、って流れだったらしい。

モールの事務所にはあれから30分くらいいて、彼氏が迎えに来てお母さんとも電話で話して、モール側も納得し謝罪。

親子がどうなったかは分からないが、ギャルたちが帰るときも娘の泣き声が廊下で反響してたらしい…。