十代の頃、留学していた時の修羅場。

大学寮だったんだけど、そこにはイカツイ顔の管理人さんとイカツイ顔の管理人愛犬がいた。

愛犬はガゼルという名のシェパード。


入寮した日に管理人さんから「彼(ガゼル)の好物は日本人女性」とか真面目な顔で言われてビビったけど、まぁそれは管理人さんのジョークで、ガゼルは吠えも噛みもしない良い子でした。

管理人さんとガゼルに挨拶をすることが日課になっていたある冬の日の夕方、大学から帰宅する途中で変質者に襲われました。

いきなりお尻を触られて抱きつかれ、私パニック。

なぜかヘルプミーと叫ぶ!(英語圏ではないです)

恐怖におののいていると、急に身体から重さがなくなった。

見ると、地面にのたうちまわる変質者と、変質者の腕に噛み付く犬。

ガゼルでした。

すぐに管理人さんがやってきて、変質者の身柄拘束。

私はただ呆然としていました。


あとから聞いた話。

管理人さんがガゼルを連れて散歩に行こうとしたところ、ガゼルが耳を急にピンとたて、走り出したそうです。

管理人さんには聞こえなかったけど、ガゼルが私の悲鳴を聞き取ったのだろうと。

管理人さんとは今でも手紙のやり取りをしています。

ガゼルの五回目の命日である今日。