私 当時学生
彼男 会社員
赤ちゃん

大学のサークルOBと一緒に遊びに来た彼男と知り合って付き合うことになった。
当時は大学近くのワンルームに一人暮らししてた。

女性用と謳ってたわけじゃないけどそこは同じ大学の女子ばかりが入ってて皆仲良しだった。
彼男はやたら私の部屋に遊びに来たがり、じゃあ昼間だけならと許可すると、
「他の子の部屋も見せてよ」
と言いだした。
この言葉にドン引きして別れが頭をよぎりだした。
他にもデート中に他の女性の話とか元カノの話をやたらするとか多かった。
「女の子同士って男同士みたいな会話(下系)するの?」
とかその他いろいろも、この人ちょっと・・・と思いだしてた。
「男の人同士の会話って聞いたことないから分からない」
と話題を避けようとしたら
「じゃあ聞かせてあげるよ」
と私が嫌がってるのを分かってくれなかったりした。

ある日、呼んで無いのに彼男が突然部屋にやってきた。
しかも赤ちゃん連れで。
「世話してみる?」
と言われたけれど、そんな小さい子を世話したことなかったしそもそもその子は誰?って感じだった。
「その子誰?」
「えーと、名前は・・・なんだっけ?そうそうマコトだ」
「誰の子?」
「俺の兄貴の子」
「なんで連れてきたの?」
「うちに居たからちょうどいいと思ってさ。兄貴の嫁さん昼寝したてし、こいつも退屈だろうしさ」
最初から機嫌悪そうだったその赤ちゃんはいよいよ機嫌が悪くなって泣きだして、私はパニック。
「うるさいなあ。腹へってんのかな?ミルクとか代わりになるもん無いの?」
「何もないよ。あるわけないよ!」
「そのくらい臨機応変にしてくれよ。母性足りないよなあ・・・こんなチチしてんのに」
と言いながら胸を突こうとしてきて腹が立った。
「ちょっと牛乳買ってくる」
と言って彼男が赤ちゃんおいて出て行って、またパニック。
どうしていいか分からず、同じ階の子達にSOS。
幸い幼児教育の子がいて、ボランティアとかでも赤ちゃんに接したことがある子がいて見に来てくれた。
でも
「普通、こんな赤ちゃん連れだすならおむつとかミルク必須だよね。お母さんが何も準備させず家から出すなんてありえない」
と言いだした。
その上赤ちゃんがますます泣きだして、全員冷静さを失ってたと思う。


「もしかしてお母さんに言わずにつれだしたんじゃ?」
「もしかして今頃探してる?」
「そもそも本当に親戚の子?」
「そう言えば彼男に似てないよね?」
「・・・・誘拐?」
「彼男に確かめる?」
「もし誘拐だったら認めるワケじゃいじゃん」
「本当に誘拐だったら確かめたらヤバいよ!」
「どうしよう?」
あっと言う間に、お母さんに内緒で連れてきた?が、彼男が誘拐犯ということに。
ともかくこの子連れて逃げようという話になり、このマンションじゃすぐ見つかるとなり、向かいの学生マンションの他の子の部屋へ皆で隠れることにした。
逃げ込んだ先の部屋の子はまだ冷静だったので、とりあえず大学に相談しようということになった。
そして大学から警察へ連絡がいった。

その後警察の人が来て、話を聞いてくれたりした。
その間彼男は、私の部屋に鍵がかかってて静かなのと、携帯ならしたら部屋から携帯の音がしたので、私が赤ちゃんと昼寝してると思ったらしかった。
そしてそのままパチンコへ行ったらしかった。
案の定、お兄さんの奥さんで赤ちゃんのお母さんには内緒で赤ちゃんを連れだしたらしくて、彼男の家では大騒動になってたそうだった。
実際は本当に誘拐事件じゃなかったので、警察の人が話を聞きにきたりしただけで逮捕とかは無かったけど、同じワンルームの子達と別のマンションに赤ちゃん連れて逃げる時は修羅場でした。

その後、赤ちゃんのお母さんとそのお母さんが菓子折りを持ってきてくれた。
でも私が変に騒いだからと言って断ったけど、
「あの子を保護して早めに対応してくれたから。あのままだったら彼男さんはもっといい加減なことをしてたと思う」
と言われ、菓子折りを受け取ることにした。
これがきっかけで彼男と別れたし、私の親にも大学を通して話がいって、念のためにとセキュリティの厳しいとこに引っ越した。
彼男からは
「新婚気分を味わうために連れてきただけなのに」
とごねられたけど、その言葉で余計ドン引きした。
幼児教育の子が
「赤ちゃんをおもちゃ扱いするなんて!」
とカンカンだった。
私も、生きてる赤ちゃんを小道具扱いするのは受け入れられなかった。

ことの顛末を 彼男を連れてきたOBに報告すると
「そんなん言われてもなあ・・・彼は俺の知り合いが連れてきた人で直の知り合いじゃないんだよ。あの日もなんでサークルについてきたのかも分かんないし」
と、実は彼男は大学OBでもサークルOBでもなく、ましてやその知り合いでもなかったことが判明した。
分かったのは、女子大生との合コンが大好きという情報だけだった。
いくらしつこく言われたからって、そんなのを部屋にあげてしまった私はバカだった。
すぐ隣に友達がいっぱいいるからといっても、一人暮らしの部屋に招くのは慎重にという教訓になりました。