私子(21) 学生 
彼男(24) 社会人
彼子(25) 社会人

私子は以前付き合っていた元彼と音信不通になり、あまりもショックでそれから恋愛に億劫になっていた。
でも、このままじゃいけないと思い、積極的に合コンや、出会いの場に自ら赴くようになった。
そんな中、ある合コンで彼男と出会った。

背が高くすらっとした体格に、目鼻立ちがくっきりした、いかにも爽やかな人だった。
話していくうちに、気も合い、優しい彼男に私子は惹かれていき、やがて2人でデートを重ね付き合うようになった。
彼男は私子が以前、元彼と音信不通になり酷く傷ついたことや、
男性不信になりつつあるのを受け止めてくれて「俺は大丈夫だよ」と優しく接してくれた。
メールも小まめに返し、毎日のように電話をくれる彼男に、私子は徐々に彼男ならきっと安心できる。そう思うようになっていた。

しかし、ある日、私子は彼男にいきなり「もう終わりにしよう」とメールで別れを告げられた。
その日は、女友達の家に泊まっていたが、突然の別れに戸惑い、彼に電話した。
私子は、やっと信じられる人を見つけたのに何故と彼男に訊ねたが、「ごめん」としか返さない彼男。
でも、ここまで信用でき自分を受け入れてくれる人が初めてだった私子はせめて、
友達として関係を続けたいと彼男にお願いし彼男もそれを承諾した。
それ以来、デートはないものの、メールでお互いの近状を話したりと関係は続いた。
しかし、元は恋人同士。友達としてのメールなのかという若干分からない内容もあったりした。
そんな関係が半年近く経った時、なんとなくこれが最後のメールになるだろうな、という予感がした。
結果は的中。彼男とのメールはこれが最後となった。
いつものようなメールは。

それから一か月ほど経ったある日、私子の携帯が鳴った。彼男からだった。
しかし、それは明らかに彼男が打った文ではなかった。
内容は、彼男が携帯を家に忘れた。それでメールした。いきなりだが、彼男とどんな関係だったのか?
というものだった。
本当は、文面の日本語がもっとおかしく、明らかにパニックを起こしているような文面だった。
私子は以前、彼男から彼女ができた。とメールで知らされていたので、おそらく彼女が彼男の携帯を見てしまったのだろう、と思った。
正直私子は、余計なことに巻き込まれたくないのと、最後に連絡してから一か月以上経っていたので、
わざわざ面倒なことを言わないほうがいいだろうと思いそのメールを無視した。

しばらくすると、また私子の携帯が鳴った。彼男からだ。
少し落ち着いたのか、彼子が打ったであろうメールは少しまともになっていた。
それには驚くようなことが書いてあった。簡単にまとめると、
「さっきメールしたものです。私(彼子)は彼男の彼女です。と、いうか妻です。
 先日結婚しました。最初このメールを見たときは、あなた(私子)に謝罪してもらうつもりだった。
 でも、彼男はあなたに彼女はいない、って言ってたのですか?それなら、あなたを責めたりはしません。
 でも、傷つく人もいるのです。よかったら、教えてください。」
という内容だった。
これを見て事の重大さに私子も気づいた。でも、もう私たちは別れた身だったので、正直に過去の経歴を話した。

/> すると、彼子からメールが来た。それには、私子もかなりショックを受けた。
「彼男は二股してたんですね。私たちは7年の交際を経て結婚しました。あなたは何も悪くない。本当に話してくれてありがとう。
 また、彼男が帰ってきたら連絡してもいいですか?」
と、書いてあった。
つまり、彼男は彼子がいるにもかかわらず、私子に交際を申し出たわけだ。
逆算すると、私子と彼男が別れた時は、ちょうど彼男が彼子にプロポーズした時期と重なった。
あんなに素晴らしい人が二股なんて。私子の受けたショックは想像以上に大きかった。
それと同時に、彼子が受けた心の傷が心配になった。
2,3通彼子とメールしたが、挙式をしてまだ1週間も経っていなかったことを知った。
言うまでもなく、とても辛そうだった。

携帯の着信が鳴った。取ると、彼男が出た。
「ごめん」と彼男は真っ先に謝ってきた。当たり前か。
何故二股してしまったのかということは、もう忘れてしまったが、私子と付き合ったことで彼子の大切さに気づいたらしい。
それで、私子と別れてすぐプロポーズに至ったという、何とも言えない結末になったらしい。
私子は傷ついていたが、それ以上に彼子が気になって「彼子さんは大丈夫なのか?」と尋ねた。
すると、彼男が彼子に代わると言った。
彼子は真っ先に私子に謝ってきた。巻き込んで申し訳ない、そう何度も謝ってきた。
私子は彼子に、私は大丈夫、それより、彼子さんが一番つらいのだから謝らなくていい、と私子は伝えた。
しばらく話すと、彼子も元彼に酷い振られ方をして、傷ついていたところを彼男に支えてもらったこと、
こんな彼男だが年上の彼子と結婚してくれたこと、そして今も大好きなことを言い、離婚するつもりはないと涙ながらに話してくれた。
そして、きっと私子にも必ずいい人が現れる、と話してくれた。
最後に彼子は私子に「本当に彼男を愛してくれていたか?」と、聞いてきた。
私子は「もちろん、そうだった。」と答えると、彼子は「ありがとう。彼男は本当に幸せだね、こんな私子に愛してもらったんだもの」
と嗚咽をあげながら伝えてくれた。その姿に、私子も号泣した。
その後、また彼男と少し話をした。
彼男に彼子を絶対に幸せにすること。二度と彼子を傷つけるようなことをしないことを約束させ電話を切った。


今度、彼らのいる町に就職するかもしれないので、ふと今回のことを思い出した。
まさか21歳にして、妻だのなんだのを体験するとは思っていなかったw
でも、彼子がほんとにいい人で良かったなーと思う修羅場でした。