A子:私、B子の同期。20代前半。ぽっちゃり巨乳、地味目
B子:私、A子の同期。20代前半。スレンダー美女
B彼:B子の彼
C男、D男:B彼の友人

A子、B子、私は会社の同期で同じフロアだったため、一緒にお昼を食べたり
会社帰りに買い物に行ったりと仲良くしていた。

しかし、最初はおとなしい性格のA子だったが、慣れてくると
内弁慶の距離無の人だということが判明。
私やB子に対して、かなり横柄でわがままな態度を取るようになっていった。
また、仲間外れにされることを極端に意識していて、
私とB子が、C子が知らない話をしたりすると激怒。
私とB子がメールを交わしていることがわかると激怒。
気を使ってA子にメールしたら返信来ないしw
そんなこんなで、B子と二人でA子をもてあましぎみになっていった。


そんな時、B子の彼がB子に、合コンをしたいと持ちかけた。
とは言っても、B子の友人は皆彼氏持ちか既婚者か片思い中かで、
合コンに誘える人がなかなか見つからなかった。
ので、私に白羽の矢が立ったのだが、私を呼ぶとなるとA子も呼ばなければ、
後でもしバレたときに何を言われるか分かったものじゃない。
B子と私で相談した結果、A子は内弁慶だし、初対面の男性がいる前で
はっちゃけたりはしないだろうと判断し、彼女も誘うことにした。
A子はさんざんしぶりながらも参加を表明。


土曜の夜、久々におめかしをして待ち合わせ場所に行くと、
見慣れないピンクの物体を発見。
頭からつま先まで、すべてピンクで固めたA子だった。
(淡いピンクならまだしも、パー子なみにどぎついピンクなので悪目立ちしていた)
すでに来ていたB子とB彼、若干苦笑い。
後から来たB彼の友達のC男とD男も若干引き気味だったが、
そのあたりは大人なので触れずに、その場で簡単に自己紹介して飲み会場へ向かう。
B彼・C男・D男はかなり良い人たちで、飲み会中はとても楽しく過ごせた。
心配だったA子はやはり人見知りをしていたが、男性陣がうまくA子の話を
引き出したりしてくれて、彼女も楽しく過ごせたようだった。
飲み会は心配をよそに、男性陣のおかげで大盛り上がりをし、
6人全員でアドレス交換をしてお開きとなった。


その飲み会で、私はC男のことが気になってしまった。
それは嬉しいことに彼も同じだったらしく、メールのやり取りやB子B彼カップルの
フォローもあり、電話をしたり、B子B彼とWデートをするまでになり、
そういったプロセスを経て、私とC男は付き合うことになった。
しかし、それと同時進行で問題もあった。


飲み会の次の日、私はA子に相談があると呼び出され、二人でお茶をすることになった。
A子がその時はなった最初に一言が、
A子「ねえどうしよう!私、C男とD男とB彼、誰を選べばいいの!?」
私「…???ぱーどぅん???」
おそろしい一言だった。
私は我が耳を疑った。
私「えっと…A子、三人にそういうメールでももらったの?」
A子「なに言ってるの。見てたら分かるじゃない、そんなの」
私「や…、仮にC男やD男はそうだったとしても、なんでB彼!?」
A子「…ふぅ…(ため息)
B子には悪いけど…。彼、私のことを好きになってしまったかもしれない」
私「?????」
まさに脳内お花畑とはこのことで、私は我が耳を疑った。

A子が言うには、
・三人ともA子のことが好きになってしまった
・A子は彼らから一人選ぶことはできない
・しかし、A子は浮気は嫌いであるから、一人選ばなければならない
・彼らのほかにも、会社の○さんや×さんや△さんや・・(略)・・にもアプローチを
うけている。(名前が出た人たちの中には、A子に接点がない人なども含まれる)
・もてすぎるのって罪なことだ
…これらの説明の中で言っていた、「A子の身体は一つしかないの!」という台詞には
狂気すら感じました。

あまりに恐ろしかったので、家に帰ってからB子に相談。
B子はあきれながらも「放っておけばいい」と結論付けた。
B子「大丈夫。だって、口ではそう言ってるかもしれないけど、
アドレス交換してから1回も、C男にもD男にもB彼にもメールのやりとり
してないんだよ?行動力がないんだから、言ってるだけで終わるよ~」
…まあたしかにそうだと思い、A子のことは放っておくことになった。
たまに呼びだされては「もてすぎてどうすればいいかわからない」という妄想を聞き
あたりさわりなく生返事をするというやりかたでお茶を濁していた。

で、めでたくC男と付き合うことになった私。
休みの日に、前回の合コンで行った店がなかなかおいしかったということで、
もう一度二人で行くことになった。
ふたりで手を繋いで歩いていると、前回待ち合わせで使った場所付近に、
見たことがあるピンクの物体が…
思わず「ひっ」と声をあげてしまい、ピンク=A子がこちらに気付いた。
A子はにやーと笑い、つかつかとこちらに歩み寄ってきて言った。
この言葉も忘れられない。
A子「私が選んだのはC男だったんだね」

そう、A子は毎日、彼女なりのおめかしをしてC男、D男と初めて出会った場所で
自分が選んだ男がくるのを待っていたのだ。
A子の行動力は、想像の斜め上だった。

そのままA子はC男に抱きついた。
「うっひゃあ」と、今までに聞いたことないくらい高い悲鳴を上げて、
C男はなんとかA子を振りほどこうとするが、どうしてそんなに力があるんだってくらい
ぎりぎりとC男を締めつけている。
「A子!やめてよ!やめてよ!」
私の悲痛の叫びはA子に届いてない。っていうか、A子の目には最初から私が写ってない
ような感じだった。
A子の全体重を受け、よろよろするC男。パニックになりA子の服を引っ張る私。
かたくなにC男にしがみつくA子。
通行人が、近くにいた駅員さん(その場所は、駅の地下通路だったので)を
呼んできてくれたが、その駅員さん、光景の異常さに手も足も出ず、結局警察さんの
お世話になってしまいました。
警察さんがやって来た時、A子も疲れたのかC男から少し離れ、声を上げて泣いていた。
その横で、げっそりしているC男と駅員さんに説明している私。
とりあえず、ということで、近くの交番に行こうと促され私とC男が従おうとすると、
A子はダッシュで逃げて行った。
警察さんが追いかけようとしたけど引き留め、彼女は同僚であると簡単に説明。
交番に移動して詳しく説明し、少し同情交じりの説教(公共の場でさわいじゃダメよ)
をされ、帰してもらった。


その後、会社で「A子の男を寝とった私」という噂を流さたが、あまり盛り上がらずに
噂は立ち消え。
A子はD男にロックオン対象を変更したが、D男はかなり防衛能力の高い男性だったらしく
なにも出来ずに終了。
最終的に、社内でも相当の嫌われ者の、信じられないくらい性格の悪い50代社員と不倫し、
泥沼化して退社していった。

書いてみると大した修羅場じゃないなあ。文章にするの難しい…。
今考えると、A子は精神的な病気だったんじゃないかなと思う。
カウンセリングとか進めればよかったと、ちょっとだけ後悔しているが、
彼女と離れられて、今は幸せ。
ちなみに上記が起こって終息するまで1年弱だった。今思い返すと走馬灯。