私子(19)…当時浪人生。経済学部志望。
胸子(19)…高校からの友人。同じ予備校。同大学文学部志望。
A男(20)…2浪目。予備校で知り合う。同大学経済学部志望。



浪人が決まり、たまたま胸子と同じ予備校だった私子。
高校では1年の時に同じクラスで、それからも交流は続いていた。
胸子ちょっと男子に対して態度が違うところはあったけど、
まぁ外面が良いだけだろうし、実害もないからほっておいた。
それに、予備校が一緒で単純に嬉しかった。

6月くらいになり、予備校に慣れてきたところで新たな友人ができた。
それがA男。同じ高校の友人がいないらしく、去年の友達も受かり、
寂しかったから、席の近かった私たちに話しかけてきたとのこと。
外見は、野球好きなおバカタレントそっくりで、世間的にはイケメンらしい。
そこはどうでも良かったけど、同じ学部志望ということで話も合ったし、
センターの選択科目も同じで、すぐに仲良くなった。
私子とA男は、文転した元・理系だったのも関係あったのかもしれない。
その日から、ご飯とか休み時間を3人で過ごすことになった。

様子が変わったのは、ちょうど今の時期。
夏期講習が始まり、皆のコースが分かれ出した。
もちろん、志望学部も選択科目も違う胸子だけが違うコースになる。
でも、教室が違うだけで時間帯はそれなりに似ているから、
「一緒にお昼食べれるね」などと話していた。

ここで、2人の詳細スペックを紹介する(話下手でごめん)
胸子は「小柄な私可愛い☆」みたいな感じで、150ないくらい。
巨乳が自慢のようで、確かに胸は大きかった。
でも全体的に丸かったために、どう好意的に見てもはにわにしか見えない。
ずっとパンクな服装だったのに、A男と仲良くなってからは、
「ふあふあ、レースな服装、大好きっv」とか言っていた。
私子は内心「うわ…」と思ったが、まぁいつものことだからとスルー。

A男は、確かに話しやすくて、すっごい良い奴だった。
だけど、大学生の彼女がいて、その彼女に「女の子と話さないで!」と言われているのに、
私たちに話しかけてくる。
しかも「彼女といる時にメール来たらやばいから」と、
私たちのアドを偽名で登録した上で「俺からメールするまで連絡しないで」と。
「別にお前とそこまで連絡取りたくない!」と思ったけど、面倒なのでスルー。
あとこれは仲良くなってから知ったことだけど、初体験は生徒会室で先輩と中2の時に外出しらしい。

胸子は、A男に彼氏がいることを知った上で「落としたい!」と色目を使いだす。
A男は、元から女好きだったのか、そんな胸子を見て楽しんでいた。
ただいま8月。繰り返すけど、浪人生。
友達を作ることは大切だと思ったが、他にも友人はいたし、勉強したかったのでFOを始めた。
といっても、講習で会えばA男から話しかけてくる。
昼は、食べている時に胸子が「A男、あ~ん」とか目の前でやり出し、
A男も「あ~ん」とか言って答えだすので、何かと口実つけて断り続けた。


9月末になり、講習が終わり通常授業が始まる。
A男は少し数学が苦手だったので、私子に聞くようになる。
私子も、聞かれたら断れないので、教える。
センターでしか数学を使わない胸子は、ハブかれたようで不満だったらしい。
ある日、A男が休んだ時に「どうして私をハブくのっ!」と叫んだ。
教室の真ん中で。

私「ハブいてないよ、数学の話以外はむしろ、胸子とA男で仲良いしょ」
胸「でも数学の時は私話せないじゃない!」
私「仕方ないしょ、二次の数学だもん」
胸「でもでも!私も話せるようにしてくれても良いしょ!」
私「問題は変わらないんだから、胸子が話に入る努力するしかないよ」
胸「私が数学苦手なこと知ってるくせに!」
私「うん、だから数分くらい我慢したら?」
胸「っ、でも、私なんて、毎晩A男と電話してるんだからね!羨ましいしょ!?」
私「いや、そんな時間も金もないから全く羨ましくない」
胸「時間は作るもんでしょ!しかも、私名義のウィルコムA男に渡したし!」
私「ポカーン」

浪人してても交友関係を続けるのは大事だと思うけど、
(かなり束縛する)彼女がいる男に、ウィルコム渡すって……。

胸「私子みたいな人って、ほんっと勉強しかしない浪人生だよね~」
私「はぁ……」

余談だが、私は当時、高校時代からの彼氏と恋愛中。
胸子も在学中は知ってたはずだっただけど……。

まぁ、そんな感じで胸子の主張終了。
どうやら
・A男は勉強聞きたいから私子に話しかけるだけ
・A男は彼女と別れたがってる(これは真っ赤な嘘←A男談)
・胸子とA男は、毎晩電話する仲(2人とも、C判定なのに…)
と、言いたいらしい。
確かにA男は良い奴だったけど、面倒になったし他の友達もいるし、
FOと言わずCOすることを決意。
勉強を教えていたA男には罪悪感もあったから「もう話しかけないで、勉強に集中したい」とだけ伝えた。

そしたら、A男がバカ正直にそれを胸子に言ったらしい。
(ここからしばらくは、同じ休憩所にいた私の友人の証言)
しかも「俺がいない間に喧嘩した?」とか言って。
ヤバいと思った胸子、ご自慢の胸をA男の腕に押し付けるようにしながら、
「違うの。私子が胸子のこと邪魔だって言ったの。数学分からないからウザいって言うし。
 胸子がA男と仲良いのが嫌なんだって。胸子のことが邪魔なんだって。
 電話もおかしいって言われたし、A男の彼女は自分だって言ってる……」
友人の話によれば、ここで胸子は泣いていたらしい。
もう、大学進学は諦めて、女優にでもなったら良いんじゃないだろうか。

それを聞いたA男、「相談したいことがある」と言って私子を呼びだす。
私子も、この時点ではA男が嫌いではなかったので、応じる。
そしたらいきなり、
「どうして胸子のことが邪魔だって言うんだ。
 俺は胸子も私子も彼女も全員愛してるのに!
 確かに今は彼女だけだけど、私子のことだって抱いてやりたいって思ってる。
 ……最近、毎晩思い出すのは私子なんだよ?
 昨日だって、私子との色々なこと考えながら、何回も……」
と、堂々と三股宣言。
むしろ私をそこに入れないでほしい。全力で拒否りたい。

私「や、てか私、彼氏いるし。特にA男をそういう対象に見てないし」
A「なんでだ!俺はすごいテクを持ってるのに!小3から、ずっと彼女途切れたことないのに!」
ただのヤリチンじゃんwww

とりあえず、話が通じないと思ったので「友達と約束ある」と言って逃げる。
もう、胸子もA男も同じ空間にいることすら無理だった。

話は変わるが、私は当時、高校時代の友人Bとブログ交換日記をしていた。
もちろん、当時の友人はURLを知っていたし、私とBの共通の友人である胸子も知っていた。
そこにあるメルフォから、私のアドレスに毎晩メールが届くようになる。


私子のこと信じてたのに!
入学式で話しかけてくれた時から、ずっと親友だって思ってたよ。
私子が胸子のこと、あんまり得意じゃないのは知ってた。
だけどね、胸子だって、そうだよ。
話して3ヶ月で、私子と気が合わないことなんて気付いてたんだから!←2行目と矛盾w

あまりにも「ポカーン」な内容だったので、メルフォ撤去。
私のパソ個人アドや携帯アド、胸子とA男が知っているもの全てを変更。
この時点で12月。もう、胸子とA男の余裕が羨ましいw

どうやら胸子は、私子が抜けたことでA男に捨てられたらしい。
A男の目的は、6月の段階から私子をセフレにすること。
その途中でつまみぐり、程度の認識だった胸子は、
毎晩の電話のうざさも相まって、邪魔になったらしい。
胸子、ちょっと可哀想。

しかし、また私の携帯に妙なメールが届くようになる。
あまりにもバカらしい内容で、知られるのも恥ずかしかったので、
高校時代の共通の友人には胸子にアドレスを教えないように根回ししていなかった。

私子のせいでA男に捨てられた。
A男は私子なんてどうでも良いって言ってたのに!
男に色目ばかりつかって、貧乳のくせに!←ほっとけw
この男好き!淫乱!色魔!色キ●ガイ!

という、罵倒なのか自己紹介なのか分からない内容。
しかも、リスカした写真が添付されている。
少し心配になって、次の日の予備校で見ても、腕には何もない。
ネットから拾った画像だってことがモロバレ。

速攻でアドレス変えて、高校時代の友人にも根回し。
センターも二次も無事済み、あとは合格発表を待つところまで来た。

合格発表当日。
無事第一志望に受かった私子は、予備校に報告に来た。
先生への報告も済み、玄関を出たところで呼び止められる。

しかし振り向いても、全く知らない人。
むしろこんな美人、すれ違っても覚えてるだろってレベルの子。
「A男の彼女ですけど……」
この時は、マジで驚いた。
一応高校時代からの友人だった胸子が豹変した時より驚いた。
だって、あんな奴に、こんな美人。世の中間違ってるって感じ。

「すみません、A男が迷惑かけて……。
 実はA男の携帯の画像で、私子さんの変な写真があって……」

申し訳なさそうにする彼女さんに見せてもられば、
グラビアアイドルの身体に私の顔写真(昔胸子と一緒に取ったプリクラか?)が……。
なんだもう、胸子もA男も、そんなに私の貧乳が嫌なのか。

「A男に問い詰めて、私子さんだってこと教えてもらって……。
 色々ご迷惑もかけてしまったようで、本当に申し訳ありませんでした」

泣きながら必死に謝る彼女さん。いや、悪いのはあなたの彼氏です。
A男と仲良かった時期に携帯メールとアドレスを毎回チェックするって聞いていたから、
どんな変な女かと思っていたら、意外と常識人。
むしろ、あんな彼氏だったらチェックしたくもなるよね。

彼女さんから、私子が抜けてからのA男と胸子の話を聞く。
胸子は相変わらずA男に纏わりつき、A男も嫌がりつつも「俺モテルww」と上機嫌。
2月、本試験の数日前に彼女さんとデートする時にいきなり胸子を同伴し、
「今日はこのまま3Pしようぜwww」とのたまう。
胸子は得意そうにA男と腕組んでるし、A男も上から目線。
キレた彼女さんと胸子とA男でそこから喧嘩したようだけど、詳細は知らない。聞きたくない。

結局、胸子とA男はその時にいざこざが元で「顔も見たくない」仲に。
彼女さんとA男は仲直りしたように見せて、
今回私子への謝罪が終わったら、こっぴどく振ってやったみたい。彼女さんグッジョブ。
唯一心配だったA男と胸子の進路(同じ大学志望だったので。A男は学部まで同じ)だが、
A男は本命に落ち、本命からは考えられない偏差値の大学に滑り込む。
胸子は、その信じられない大学にも落とされ、めでたく2浪目が決定。
その後の胸子の進路は知らない。1年の時の同窓会にも行ってないし。

私子は、明るい大学生活を始める前に
「類は友を呼ぶっていうから私もDQNなんだろうか……」と思ったが、
他の予備校でできた友人はまともだったし、大学も良い友達しかできなかったので、
あの1年弱は逆モテ期だと思うことにした。

彼女さんは、あの1件がきっかけで、たまに会うと話す仲に。
(大学は違うけど、最寄り駅が同じ。メアド交換は、なんか怖くてしてないw)
どうやらA男と別れた後、私の高校時代の友人と出会って付き合うことに。
半年前くらいに結婚したが、良い奴だから幸せになると思う。

私子も、今年の冬に高校から付き合っていた彼氏と結婚することが決まった。
予備校時代のいざこざは、恥ずかしくて彼氏にも話していない。
墓場まで持っていくつもり。
だけどまぁ、丸く収まったと思うので厄落としに投下。