中学生の時の話。

ある日、塾から帰ると両親が正座して怖い顔で待っていた。
遊んで帰ってきたわけではないし、その頃、反抗期だった兄が何かしらしでかしたと思い、自分の部屋へ避難しようとしたところ、父から「ちょっと来い!」と怒鳴られた。
「私、何かした!?」とビクビクしながら両親の前へ正座。

すると母が「○○さんって男性とはどういう関係?」と。
聞いたことがない名前にポカーンとしていると、父が声を荒げて「お前はテレクラ遊びをしているのか!!」と怒鳴られた。
どうも私が不在時に○○と名乗る男から電話があり、母がどういう関係かを尋ねると、私がテレクラに電話し、遊ぶ時には誘って欲しいと言ったとか。
絶対そんなことはしていない!!何かの間違いだ!!といっても、うちに電話をかけ、私の名を知っているのが何よりのテレクラ遊びの証拠だと父も言い張る。
そうこうしているところへ電話があり、母が出てしばらくすると父に代わった。
その間、泣きながら「そんなことは絶対にしていない」と釈明する自分。
すると父が「今日は誰と帰ってきた?」と、鼻息は荒いが先ほどよりトーンダウンして聞いてきた。


「今日…っていうか最近はAちゃんと帰って…あ!!!Aちゃんと帰るときに、BちゃんとCちゃんが電話ボックスで、「今からテレクラかけるけど一緒にやろう」って誘われた!くだらないから相手にしないで帰ってきた!!」と一気に話した。
すると父も母も顔を見合わせ、「A父さんの言ってたことと同じだ」と。
どうもB、Cは断られたのが気に入らなく、私とAちゃんの名前を語り、それぞれの電話番号を相手に伝えたらしい。(B、Cとは小学生時代に仲がよく、当時はしょっちゅう電話をかけていた。だから電話番号を暗記していた)
その後、父が何件か電話をして外出。Aちゃんの家に行き、B、Cの家へ向かったらしい。
どういったやりとりがあったかは教えてもらっていないが、翌日、B、C双方の家庭から謝罪があったが、B、Cが「ふざけてテレクラにかけただけなのに、あいつらの親が馬鹿騒ぎしてえらく怒られた」と周りに吹聴してさらにB、Cは馬鹿にされた。
それからしばらくすると、今度はB、Cの親が「謝罪をしたのに嘘の噂を流すとは何事だ!」と怒鳴り込んできた。

いつの間にか「他人の名前を語ってテレクラへ電話した」に「売春していた」にというオプションがついてしまったらしい。
私もAちゃんも、このことは絶対に誰にも話さないと約束していたので、喋っていない。両親も私たちを信用し、学校を通して事の真相を究明しようと提案してくれた。
で、学校介入のもと、噂をたどって言ったら、伝言ゲームが子供のあいだでは正しく伝わっていたが、大人に伝わったところで「売春」になってしまったらしい。
子供にとってテレクラはイタ電をかけるところだったのに、大人にとっては「テレクラにかけるということは、売春のためだ」と変換されてのことだと思う。
結局B、Cも転校して噂はいつの間にか消えていった。