個人的にスーッとした話

学生時代、気軽なショットバーでアルバイトをしていた
田舎なので地元密着型で常連が多く、お酒を楽しむというよりは会話を楽しむようなお店だった


ある日、洗い物をしていたら2人組のお客さんの片方に「なに、家庭的な女アピール?(笑)」と、からかわれた
もちろん業務の内なわけだが、「そうです、出来る女アピールです(笑)」と返した

しかし、その後も
客A「いや明らかに家事できるタイプじゃないだろ(笑)」
私「好きな人の為なら結構頑張りますよー?(笑)」
客B「嘘つけ(笑)」
客A「女はやっぱ家事が出来ないとなー」
などとからかわれ続けた(そのお客さんたちは月に一度くらいのペースで定期的にくる半常連さんだそうで、当時私はまだ20歳で入りたてだったから、舐められたのもあると思う)

最初は私をからかうだけだったが、どんどん女はこうあるべきという理想を語り始めた

家事と育児は女の仕事、三歩下がってついて来るべき、母になっても女を忘れてはいけない、男に逆らってはいけない、男の浮気は甲斐性、女はダメなど…他にもあった気がするけど忘れた

最終的には「分かったか?お前もそういう女になるんだぞ」と上から目線
そろそろイライラし始めた頃、社員でこそないものの仕事もバリバリ出来るベテランの女の先輩(しかも超べっぴん)登場

先輩「それじゃあ、そこまで女らしく尽くしてくれる女性にどうやって男らしく返すんですか?」
客A「それはほら、洗い物くらい…」
先輩「いえ、そうではなく、男らしくですよ。例えば、経済力とか体力筋力とか頼り甲斐とか、ありますよね。男らしい男性が女らしさを女性に求めるなら分かりますけど…」


と、お客さんたちの伝票や外見をチラリ
その後少ししてチェックが入りご退店されたので、先輩にお礼と同時にあんなこと言って良かったのか尋ねると、

「良いの良いの、あいつらいつもお金使わずダラダラ呑んで女の悪口言って帰ってく、たち悪い貧乏なモテない客だから」
とのこと

確かに、その二人がうちの店で飲んでいたのはキープしている鏡月、しかも割物のピッチャーがなくなったらあとはひたすらチェイサーで長居し、その上バーテンダーにお酒も出さず※、嫌らしい話お金にならないお客さんだった(しかも片方はチビデブハゲ、もう片方はガリハゲ)

※もちろん出して頂ける頂けないはご好意だしバーテンダーは呑む職業ではないのだがうちの店では割とそれが当たり前だった

また、「ほら、私も家事苦手だからさ、金もない、見た目もなよなよしてて、女みたいに女のこと愚痴愚痴言う男に、女らしさ語られたから腹立っちゃって」とも言ってからから笑っていた