会社の某地方支社に勤務していた時の話。
支社は敷地の奥に社有車用の駐車場があり、その手前のスペースに一台だけ、
来客者が駐車できるスペースがある。

金曜日の夜遅く、出張先から車で戻ると、そのスペースに車が止まっていた。
支社事務所は皆帰った後で無人だった為、誰かが勝手に止めているのは明白
だった。しかもよりによって、スペースのど真ん中に止めており、奥の駐車場
に入れられない状態。


路上駐車するわけにはいかないので、相手の車のワイパーに、自分の連絡先
を挟んでおき、その車の前に被さる様に止めて、帰宅した。
土曜日、連絡があったので、自分の車を出して40分後に到着。予想通りと
いうか、勝手に止めてた椰子はDQNっぽい兄ちゃんで、お互いに車を動か
して歩道に止めた後、謝りもせずに、来るのが遅いと文句を付けてきた。
こっちも腹が立ったので、他人の駐車スペースに勝手に止めるとは何事だ、
警察を呼んでレッカー移動させても良かったんだぞ、と応酬。すると、その
兄ちゃん、私有地だから警察はレッカー移動出来ないだろ、と返してきた。
どうやら全て計算ずくだったらしい。頭に来て、口論になった。
その時、パトカーが横に止まり、警官が降りて声を掛けてきた。警官の一人
に事情を話している時、もう一人の警官が兄ちゃんの車に注目。昨夜は俺も
気付かなかったが、兄ちゃんの車のパンパーに駐車違反の札が掛かっていた。
免許証の提示を求める警官。兄ちゃんは、かなり及び腰で躊躇していたが、
諦めたのか、免許証を出した。それを検めた警官が、小さく声を上げた。
その兄ちゃん、どうやら免停中の身だったらしい。

哀れ、その兄ちゃんは、自分の車ではなくパトカーで去っていきました。