大学生のときの修羅場。
大学で見知らぬ学生に声かけられた。
「君に会いたがっている人がいる」
「知らんがな(´・ω・`)」
有無を言わさぬ感じが怖くて「無理です嫌です」と断ったら腕捕まれて引っ張られた。

連れ込まれて襲われる!?と思い、離して!と大声で叫んだ。
近くにいた人達が割って入ってくれたのにそいつは「時間がないんだ」
とうだうだ言って気持ち悪かった。
割って入ってくれた人達が「行きな」と言ってくれたのでありがたく逃げた。

後日友達ごしに紹介が…

余命数年の男性の最後の願いを叶えてやってくれ。
最後の願い=好きな人(私)と付き合いたい。

なにそれ重い('A`)

紹介してきた私の友人も、その病人の友人も、
何かの使命感燃えてるような、自分は正しいと信じてる感じで、
これは普通に断っても私が悪者扱いでいびられること確実。

私「お祖母ちゃんの介護と費用の為のバイトがあるので…」
病友「だからちょっとの間だけでいいから会ってやってほしいんだ」
私「母と二人で付きっきりの介護なんです」
病友「友人は君のことを(以下闘病生活と病気の説明を私への非難まじりで話す)」

私「ご友人を大事にされてるんですね」
病友「友達だからね!(切れ顔)」
私「私はお祖母ちゃんが大事なんです」
病友「人の話聞いてたのか?」
私「貴方が友達を大事にしてるのと一緒で私も家族が大事なんです」
「残り少ない時間を心安らかに過ごしてほしいし、一緒にいたいんです」

切々と訴える内に友人は洗脳が解けたようで私の味方についたが、
病友は私情が入り込みすぎて最後まで私の話が理解できなかったらしく怒鳴りちらされた。
「なんて冷たい女だ!」と怒鳴る病友を友人が張り飛ばした。
威勢だけいい病友は吹っ飛んで近くのテーブルにガシャーン。

友人には頭下げて謝られた。


介護の話は嘘っぱちだった。
実際は大学の勉強が難しかったのと、
学費の為のバイトで精一杯だったから。
お祖母ちゃんは介護施設に入ってて、
痴呆だが私が行くと嬉しそうな顔するので週一で通ってる。

赤の他人の為に時間を割いて大学中退するわけにはいかない。
余命僅かで可哀想と思う気持ちと、自分の人生は別。
死にそうだからって付き合えってのもおかしな話だ。
そう自分に言い聞かせて大学生活を続けた。

そのことから一ヶ月くらい経った日にイケメン(アンガールズ似)に告白された。
「友達からお願いします!」とこっちから頭下げて頼んだ。

でも時間がない。
ほんとにない。
時間があったら勉強したい。
ばーちゃんの見舞い時間削ってまで恋したくない。
せめて大学の食堂で一緒にご飯を食べに行くことに…
二人で食堂に行く最中に後方で揉める声が。
切れてる病友と病友を止めに入る男数人。

「これ見よがしに手を繋いでよ!」とか「屑女!!」とぶちギレてた。
私を不信げに見だすアンガールズ似。
その場から立ち去りたかったがアンガールズ似が病友に話しかけた。

この恋終わった…

目の前真っ暗になったが慌てて止めに入る。
「あの女は屑だぞ!お前騙されてんな!!」と息巻く病友に冷静に説明を求めるアンガールズ。
病友とその友達が私の話した通りに説明する。
アンガールズに嘘つくのは嫌なので隙みてその場から立ち去った。

女子トイレで凹んでたらアンガールズから電話が。
「向こうが正しいならそれでいいよ嫌いなら別れよう」と言って切った。

しばらくアンガールズを避けたが、ある日掴まり話をすることに。
付き合うのが嫌で嘘ついたこと、頭が悪いこと、学費がたまらないこと、全部話した。
彼は私の頭をポンポン叩きながら「そういう嘘はよくないね」とだけ言った。
後日病友から謝罪された。

病気の人が誰だかは今でも知らないまま。
罪悪感はちょっとだけある。