私が小学生の頃の話


私には11歳上の姉がいる。
姉は大学進学とともに県庁所在地で一人暮らしをはじめ彼氏ができた。
その彼氏がいわゆる厨二病っぽい人で
「戦争イクナイ」
「人間は皆平等だから天皇制はぼくらの力でなくすべき」
とかいう人だったみたい。




それまで「あっくん(当時人気だった光GENJIというグループのメンバー)と結婚するぅー」
と言っていた姉はガラっと変わって
大人と見ればけんか腰でつっかかっていくような人になってしまった。


でも本質は変わってないみたいで、大人の見ていないとこで
こっそりジャニーズ話を振ると目をピカピカさせて乗ってきたりしてたから
私にとっては前と同じく面白くて大好きな姉だった。


修羅場ったのは祖父の七回忌の法事。
うちの伯父二人と、義理の叔父一人が自衛官なんだけど
それを聞きつけてかなんか知らないけど姉が彼氏を連れてやって来た。
場所はセレモニーホールとかじゃなく、祖父母の家。


彼氏、伯父と義叔父に絡む絡む絡む。
歓談中ならまだしも、お坊様が来て読経をはじめてもまだ議論ふっかけて絡む。
法事の席だし穏便に済ませようとかわしてた伯父たちも
「あなたたちの存在が日本から戦争を根絶させない元凶」
「日本をまた焼け野原にしたくてたまらないんでしょう」
とネチネチ言われて爆発寸前。
姉はそんな彼氏を見て「一歩もひかない彼、すてき」とうっとり。


のちに母いわく
「伯父さんたちにキレさせるわけにいかないから、女衆で先にブチギレて叩きだそうと
タイミングをはかっていた」
らしい。
私はそんな母の心などわからず、みんな怖い顔してるよー、このおにいちゃん怖いよー、
おねえちゃん止めてよー、とgkbrしていた。


でもなぜか真っ先にキレたのはお坊様と一緒に付き添って来た小坊主?みたいな人だった。
小坊主さんは二人いたんだけど、そのうちの一人が
「うるさい!!!」
と振り返って一喝した。


彼氏は一瞬ひるんだけど、すぐ「うるさいとは何だ、今大事な議論の最中だ!」と怒鳴り返した。
小坊主さん「なにが大事だ。法事の席で読経以上に大事なことなんかあるか!」
続いてうちの伯母らも
「そうだよ、あんたどんなしつけされて育ってきたんだ」
「親の顔が見たい、連れてこい、説教してやる」
と立ち上がり、怒鳴りながら取り囲んだ。何人かが背中にドスドス膝蹴りを入れていた。


「親は関係ないでしょう!」
という彼氏に「未成年だろうが!まだ責任とれない年齢で親関係ないことあるか!」と伯母たち。
当時は携帯はまだ普及していない時代だったから
学生証とアドレス帳みたいな手帳を出させ、彼氏は従兄たちが二階に連れていった。


私はその後いとこ達と遊んでたのでよく知らないが
学生証を没収された彼氏はおとなしくなり
伯父伯母叔父叔母たちに取り囲まれて怒涛の説教を受けたらしい。
親にも大学にも連絡されて涙目だったとか。
姉は「あんなクソバカと付き合うならもう学費も仕送り出さない!」と親に叱られ
その後すぐ一人暮らしをやめて家に帰ってきた。
そしてジャニを卒業して宝塚にはまった。
名前忘れたけど真矢みきじゃなくてその前のスターの人。


ちなみにうちの父も元自衛官(当時はもうやめて会社員だった)なのに
姉の脳中でいったいどういう折り合いになっていたのかは今でも謎。